2018/04/17

商品を作ってもYDN考査が通らない!? 今後の商品開発に必要な訴求軸と商品設計

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通販業界の各分野のエキスパートへのインタビュー。株式会社Lifex(公式HP http://lifex-group.co.jp/)工藤さんにお話を伺ったところ、YDNの広告考査が通らなくなってきたこと。その上で今後の商品開発で必要な「訴求」と「成分」と「コピー」の関係性や、通販リテラシーの向上や知見を高めるべき必要性を定期通販ラボの編集長である大塚が伺ってきました。

 広告考査を意識した商品開発

大塚:最近、商品開発やCRMの方で気になっていることはありますか?

工藤:両方に付随しますが、媒体の考査が通り難くなってきました。昔は広告から逆算をして、広告単価を含めて商品設計をしていましたが、今つまずく点は考査が通らないという部分になっています。

大塚:それはどの媒体でしょうか?

工藤:YDNYahoo!ディスプレイアドネットワーク)ですね。そうなると結構厳しいです。商品が出来ても、考査で12ヶ月止まってしまったりしてしまいます。

ほかの媒体でも広告はかけますが、今年に入ってから一気に厳しくなりましたね。
今年の6月にもう一度、薬機法と景表法の是正が入りますので、より媒体系の環境が変わるだろうなと思います。

うちの商品の作り方というのが、マーケットの考査を今まであまり考えてこなかったんです。もちろん薬事法はちゃんと重視してやりますが、今まで通っていたから通るだろうという前提がありました。でも広告考査はもう少し事前に把握しないといけないと思います。

結局商品を作っても広告が回せないという事になりかねないので、今はそこは気を付けてやっています。

大塚:広告考査によって商品開発は変わりますか?

工藤:やはり表現が出来ない成分だと、意味が無くなるので訴求軸で変えています。特にダイエットなどは考査が厳しいので、ダイエット訴求1本の商品設計でやってしまうと、かなりマイルドな記事になってしまいます。その結果、何の訴求か分からなくなってしまう。

ファーストビューやクリエイティブ、その後の同梱物など一連した世界観をアウトプットしていかないと、フロントでもその後でも厳しくなるだろうなという気はしています。

大塚:工藤さんから久しぶりに商品の話を聞いた気がします。最近はCRMのエキスパートのようになっていましたから(笑)他には何かありますか?

工藤:商品開発を考えられている会社さんは常にいると思いますが、商品開発をするというプロジェクトをもっとやるべきだと思います。単純に経験値が貯まります。色々な商品を作れば作った分だけ、様々な壁が出てくると思います。

それこそ広告の考査が通らないなど。ありがちなのは1つの商品への想いが、良い意味で強すぎて、それをどうにかすることしかやらない。それはそれで動かしつつも、色々な商品を動かして、商品構想・構成をやられている会社さんは商品の作り方も上手になっていくと思います。

スタートアップの時は同時にいくつも作ることは出来ないかもしれません。そのため基盤商品の軌道が確保出来たら、色々な商品をチャレンジするというのはお薦めしています。

広告の考査基準の認識も強くなるし、成分的な知見も増えますよね。

大塚:2商品目として始める時はどのような商品が良いなどはありますか?

工藤:おそらく2軸であると思います。メイン商品に付随するシリーズ展開。クロスセル商品かアップセル商品かは分かりませんが、シリーズ向けで展開する場合。
あとは完全に別ブランドとしてやられる場合があるかなと思っています。

両者とも存在していて、他ブランドを並列で走らせて10億やっている会社もあるし、本当に1点突破で10億をやっている会社もあるので、どちらが良いかは難しい。でも目標の売上に対して、どういったアイテム構成でやるかは凄く重要な考え方かもしれません。

売上構成比率を見ていても1つのアイテムで1億なのか10億なのか、それとも何点かで10億なのか、という所はコンサルティングをしていても必ず見る指標になります。

あとはアイテム別のLTVも見ます。そうしてくると、その商品の善し悪しが分かってくるので、CRM領域の視点から見ると必ず複数商品での分析は凄く大切なところになります。

 海外と日本のサプリメントの認識の違い

工藤:今はどうしたら売れるのかというやり方の回転が速いです。昔はニッチ系の商品が当たり易かったけど、今もそうとは限らない。ダイエット系は新規参入し易いと言われていましたが、決してそんなことは無い。

大塚:そうですよね。

工藤:それでも去年の話ですからね。それが今は変わってきてしまっているので、使える成分も変わってきている。今が過渡期というか転換期なのかもしれないですね。

大塚:6月に薬機法や薬事法の改定があるというお話でしたが、これからはもっと厳しくなるという見解ですか?

工藤:ただ単に厳しくなるというよりは、広告表記の是正というか、こうしたら良いというのも良い意味であると思います。ただ、消費者の皆様に語弊のない表記というのが目的だと思いますので、YDNしかり大きなメディアはお客様のために変わる事だと思います。そのためネガティブな要素だけではないと思います。

大塚:先ほどのお話では広告表現がハッキリとしたものが言えなくなってくる、という事ですよね。

工藤:これは作り手の矛盾ではありますが、訴求に対しての商品開発をしますが、その表現に規制が入って言いたいことが100%言えないというのが現状です。

でもそこは消費者の方も分かっている部分はあるのかなと思います。サプリメントですと健康訴求や美容訴求が多いですが、あくまでもサプリメントは栄養であったり健康を補助・サポートするのが目的ですよね。

本来あるべき姿は食事と運動と睡眠をしっかりバランス良く取るというのが基本になります。そこが無視されつつあるので、その大前提を共有したうえでサプリメントがあるともう少し変わる気がします。

なので、日本とアメリカではサプリメントに対する認識も全く違います。

大塚:どのように意識が違うのでしょうか?

工藤:海外だと本来のサプリメントとしての定義が共通認識として違うので、あくまでも健康維持やサポートするためのもの。サプリメント=良いものだというのが海外の方はしっかりと持たれている。

ただ、日本は半々のイメージがありますよね。良さそうだけど信じて良いのか?という認識もあるので、広告の部分だけ変えれば良いかというと、そんなことは無い。その辺のズレは今後も出てくると思います。

大塚:なるほど。

工藤:でも日本のメーカーさんは優秀な会社様が多いので、良い商品は本当に沢山あると思います。その分、変な商品もありますので、そこが怪しいと言われてしまうところかもしれません。

ただ薬事法はそういった変な会社にとっては、凄く有効な対策にはなると思います。なので、真っ当な事を限られた表現でしっかりと伝えられれば良いかなとは思いますけどね。

 商品以外も商品の世界観を伝える重要なツール

大塚:先ほど王道の商品が多いというお話もありましたが、どのようなものになりますか?

工藤:やはり我々は日々ベンチマークした商品を圧倒するような、差別化したものを作らなければいけないという使命でここ数年は作ってきました。

先月作った自分の商品を上回るものを今月作らなければいけない。ただ、お客様にとってウソのないものを作らないといけない。もちろんエビデンスや他者を圧倒する要素はとても大切ではありますが、クライアント様や事業主の方々がどのような商品が作りたいのかという事も凄く大切にしています。

どのようなベネフィットがあるかという事やどのような事を伝えていきたいか。ザッポスでいうと「お客様を幸せにすることに社員一同喜びを感じて~」のようなコンセプトがあるなど、社のマインドを商品を通じて表現していく必要があると思います。

そういう意味では、商品以外の同梱物やカスタマーセンターの応対であったり、ロジスティック自体の商品の梱包であったり、配送であったりなども含めて1つのサービスであるというフェーズに向かっているのかなと思います。

大塚:成熟して本来あるべき姿に向かっていっているということなのでしょうか。

工藤:そういう意味で言うと、今まで通販事業者の方々が意識としてあまり無かったコールセンターの応対であったり、商品の梱包であったりなどフルフィルメント領域はこれまでも大切でしたが、今まで以上に意識を高めるべきかなと思いますね。

最近は梱包資材のデザインや開ける順番、同梱物の管理も商品の延長だと思っています。商品の世界観を伝える限られたツールなんです。

そのため、そこまでお手伝いをすることが最近は増えていますね。例えばですが、この商品(机に置かれたペン)の良さをお客様に100%伝えるのは難しいですよね。

大塚:難しいですね。

工藤:LP上だと言えない言葉も多いですし、どうやってこの想いを伝えるかというと、
・この色にした理由
・なぜこの機能があるのか

おそらく買った時のLPのことなんて覚えていないんです。なので、そこにはちゃんとした同梱物としての補足があったり、届いたときの感動を味わって頂くためには配送資材であったりとか。あとは何かあった時の応対という事も含めて商品なので、その辺の統一感をザッポスなどは徹底していると思います。

本来日本のECもおもてなしの文化があるので、そう在るべきかなと思っています。

 使いたい表現で「訴求」するための「成分」と「LP」の重要性

大塚:少し話は戻りますが、先ほどYDNの審査の話が合って商品開発を意識せざるを得ないという話がありました。具体的に商品開発の時に、どのような事を意識すれば良いのでしょうか。

工藤:やはり訴求軸で商品設計はすると思うんです。おそらく商品を作るときはLPを自分の頭の中で、LPの構成まで含めて同軸でイメージするんですよね。

大塚:それは誰がやるのでしょうか?クライアントさんですか?OEM先である工藤さんの方でしょうか?

工藤:そこは弊社でやります。中々OEMメーカーの方にLPの構成までイメージさせるのはしんどいと思います。

大塚:出来ないですよね。

工藤:この訴求の、この表現を言うとお客様は共感を得たりとか、刺さったりするだろうなという「成分」と「訴求」と「LP」を結び付ける作業を弊社でやります。その時に表現が出来るコピー。この言葉を使いたいから、この成分を使うという事もやります。

弊社のコピーで言うと、腸内を整える商品が結構人気があります。その時に

「デブ菌」「痩せ菌」

という言葉が使いたかったんです。その言葉を広告上で使うとお客様は分かり易いですよね。「デブ菌」を減らして、「痩せ菌」を増やせば痩せるんです、と。いわゆるそれって腸内環境なんです。

なので、この成分を使う事でこの表現が出来るようになるけど広告上はどうなのか。そういった考え方をしたり、その辺のコピーは重要な要素です。

大塚:なるほど。難易度が上がってきているという事ですね。その場合、工藤さんのように広告も分かっていて、薬機法も分かっていて商品も作れれば問題ないと思います。しかし、それぞれが分断している場合、だれがどのように指揮を取れば良いのでしょうか?

工藤:その方が多いですよね。やはり社内で商品をディレクションする人が凄く大事かなと思います。全ての領域の知見を深めるというのは、なかなか難しい。社内で広告のマーケティング部、商品開発部、商品管理部があって、それをどのようにまとめるかだと思います。

そこをまとめる環境や社内の体制の部分。どうやったら売れるのかは私もコンサルティングをやりますが、社内の体制作りというのは良くやる仕事ですね。

やはりディレクションをどのように回していくかというは、CRMにもかかわりますが極端な話として、お客様の声を経理まで含めて社内に共有する環境があるかどうかは大切な要素です。

いまはお客様のお問合せやメールは一部の部署しか見ていない。それを全ての部署が閲覧をする環境があるかが、これからの通販事業にとってCRM領域としても重要な事かなと思います。

 今後は企業内での通販リテラシーの工場と人材育成が必須!

大塚:実際に商品の方に話を戻すと、通販企業でディレクションを取れる人材はいるのでしょうか?

工藤:そこは人材難かもしれませんね。

大塚:昔はコピーが分かっていなくても商品をOEMメーカーが作れてしまえば良いかったものですか?

工藤:そうですね。どちらかというと事業者は広告は広告代理店さんにお任せをするので、社内に通販リテラシーの知見が貯まっていないケースが多いと思いますね。それは大手様でも、そのような傾向にあると思います。

ただしオフラインで独自の文化を作られている企業様もあります。

大塚:今後の通販企業からすると、組織やチームで一気通貫した人材を育てないといけないという事ですね。

工藤:そこは弊社の使命の一つかもしれませんね。

大塚:ほとんどの通販企業が出来ていないということですよね。

工藤:自分は新卒からずっと通販業界で働かせて頂いて、誰よりも失敗をした経験というのが今として活きている。我々が就職活動をしている時はEC自体がそこまで盛んな業種ではなかったというのも人材難の背景かもしれません。もともと分母が少ないというのがあるかもしれないです。

大塚:これまでは商品開発は社長が企画して、そのまま作らせて販売しているだけだった。

工藤:トップダウンでこの商品がやりたいというのは、いまだにありますけどね(笑)。

大塚:薬事法の審査が通りにくくなっている今は、ヒット商品を作っている会社はどうしているのでしょうか?

工藤:いまは、大手さんは安全運転というか機能性。第三類医薬品。部外医薬品。というのを軸に商品構成を作ります。あとは当たる時と当たらない時が読み難くなっています。アフィリエイトさんもそうですが、デイリーで110件位だったところが急に500件になる事があるんです。

そこが読めなくなってきていて、メディアによっては当たり方がえげつない時があります。その辺の商品管理が今は凄く大変です。

結局品切れをすると誰も喜ばない。

事業者側は機会損失。広告側は売上損失。アフィリエイトさんも売上が落ちる。全てが止まってしまい、エンドユーザーも商品が来ない。誰も喜ばない負のサイクルを無くすかというのが弊社の使命ですね。

昔は極力ギリギリの在庫というのもやっていましたが、今は適正在庫の読みが難しくなっているのでWMSとの連携はこれから重要になってきます。Amazonも豊富な在庫というのが1つの武器にしていて、リードタイムと在庫の品薄を絶対にしないポリシーでやっています。

 総括

今回のお話では広告の考査、特にYDNの考査が通り難くなっているということをお話しして頂きました。さらに今年の6月頃に薬事法や薬機法も是正されるようです。そのような背景から、商品開発においても考査を意識した商品開発が必要になってきています。特にお客様に分かり易い・刺さり易い表現をしながら、成分を使い分けてLPに落とし込んでいく重要性を教えて頂きました。

さらに今後は、広告以外にもパッケージや同梱物など、商品に付随する全てが商品の世界観として統一をしたり、お客様の声を社内全体で共有するなどCRM領域についても、まだまだ改善する余地はたくさんあると感じることが出来ました。

今後の広告考査も含めた商品開発やOEM製品など、最適な成分で商品開発を行いながら適正な表現で効果を最大化したい方は、ぜひ一度Lifexさんにご相談をしてみてはいかがでしょうか。

株式会社Lifexhttp://lifex-group.co.jp/

本日はありがとうございました。

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