近年、通販・EC事業者が負担に感じるコストの1位、2位に、毎回「物流コスト」があります。
物流コストを削減したいと思っているけれども、
・物流拠点の移動、変更は大変だから…
・どのようにコストを削減すればよいかわからない…
と悩んでいる方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、物流倉庫を移転せずに、「すぐに」物流コストを削減出来る方法をお伝えします。
圧迫する物流コストの正体
まず、皆様が下げたい物流コストの中で見落としがちな、「無駄」で「圧迫」している物流一部コストがあります。
今回は、その無駄なコストを削減する方法についてお話をします。
その正体とは…「返品コスト」です。
返品コストは化粧品・健康食品通販の企業様によって、数値がバラバラでまだまだ意識が弱いのですが、実は工夫している企業様と工夫していない企業様で返品率が約10%ほどの違いがあります!(返品=ムダなコストです!)
具体的な内容を下記の項目に分けて、説明します。
1. 返品コストとは何か
2. 返品率を抑える為に理由分析から把握
3. 理由に対しての対策
では、1つずつ説明をしていきましょう。
返品コストっていくらか知ってますか?
「返品」にどれくらいのコストがかかっていますか?」
この質問に答えれない方は、今すぐに返品率と返品コストを計算してみましょう。
答えをお伝えすると、返品コストとは、商品の入庫~発送~返品 という処理全てが無駄なコストになります。
具体的には、「入庫費」「保管費」「返品費」「送料(往復)」が発生しているのです。
実は、全ての金額を合計すると、「宅配便の場合は、約2,000円」近い返品コストになります。
例えば、仮に返品率が8%だとすると、ある一定の条件を想定した時の売上の約3%も無駄が発生しています。
(計算式)
商品発送件数が月に1,000件、商材単価は、5,000円だとすると、月商で500万円です。
返品率が仮に8%だとすると、約160,000円の無駄なコストがかかっており、
売上の約3%分も無駄なコストが発生していると考えると非常に恐ろしいですよね。
また、返品って目に見えるコスト(料金)もそうですが、非常に手間のかかる業務もありますので、件数を減らすだけで、よりスムーズに業務が出来ると思います。
では、なぜ返品になってしまうのか、そしてどのように改善を行っていくのか?をこれからとお伝えしていきます。
返品理由って具体的に何が考えられるの?
何事も課題を解決するときには、分析が大切ですよね。
あなたは返品理由をきちんと把握されていますか?
弊社でも返品理由の分析を行ってみました。
その結果、主に長期不在・受け取り拒否・番号不備・転居先不明・配達中止・その他 等の理由があげられました。
そして改善するためには、「%」の多い値を改善するのがもっとも早い、ということで、調査を行いました。その結果…
1:長期不在:43%
2:受け取り拒否:38%
3:番号不備:11%
4:配達中止/転居先不明:8% (n=5社/400件)
オファー/ターゲットによって数値自体はブレがありましたが、皆様のネットショップでも返品理由ごとに対策を行うことをおすすめします。
なお、返品理由を把握されていない企業様は危険なので、すぐに把握することから始めましょう。
返品理由に対しての対策
返品理由の分析が終われば、次には改善を行いましょう。
では、具体的にどのように改善を行う必要があるのでしょうか?
今回は早速、最も数の多い長期不在をいかに減らすのか?について教えます。
お客様は、
・家に居る時間が少なく、忙しく、ポストも見れない。
・急遽予定が入り、家に居ることが出来なかった。
など様々な理由で商品を受取出来なかったと思われます。
では、具体的に、この場合はどういった解決策を行う事が必要でしょうか?
配達前のアクション/配達中のアクションという分類で考えていきましょう。
【配達前】
・次回いつ頃お届け予定なのか?/どこの配送業者でお届けをするのか?を伝える。(伝えるタイミングはは1ヶ月前と事前通知)
なお、定期コースの場合は、次回のお届け日などは消費者が忘れているケースもありますので、お届け日をお伝えすることがより重要になります。
・配達希望日/時間帯の変更などが出来る旨、お伝えしていますか?
定期購入の次回配達日(約1ヶ月後)の予定なんて、お客様自身もわかりませんよね?
なので、配達希望日や時間帯をWebサイトや電話一本で変更できることを、お客様に必ず告知しましょう。
・配達完了メール後に変更が出来る事、お伝えしていますか?
配達を変更したい時はどのようにするのか?を正しく伝える。
(ヤマトであれば、LINE、クロネコメンバーズ。佐川であれば、WEBトータルサポートなどがあります)
【配達中】
・調査依頼表を確認していますか?
実は、弊社でも配送会社から1日何千件という単位で送られてくる調査依頼表。
皆様にもFAXなどでお届けされるのではないでしょうか?
事例として、あるネットショップの場合、
全体出荷の10%~15%は調査依頼表が届きます。
調査依頼表を確認後、すぐ消費者に対して、アクションを行うことが大切です。
理由は、すぐに連絡を取らないと返品になってしまうからです。
詳しく説明します。配送業者の保管期限は約1週間とすると、
・調査依頼表が届くのが、約2日~3日後
・そこから倉庫が確認し、FAXで送付するのに約1日後
・ショップ側で確認を行い、アクションを行うのが、約1日後
だとします。
お客様にに連絡が取れるのが、早くて4~5日後になります。なので、あと2~3日以内にお客様と連絡が取る必要があるということになります。
なので、調査依頼表が届いたら、すぐにアクションを行っていきましょう。
(もちろん、この調査依頼表を放置していると、返品率は急激に高くなります…。)
また、連絡は取れたが、お客様が忘れており返品されてきたというケースもあります。
必ず、毎日、「配達完了」などのステータスを管理し、その上で、調査依頼表と突き合わせ、消費者に対して、メール配信/アウトバウンドなどを行うことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は通販物流に関わる「返品コスト」について概要と、長期不在による返品対策を説明しました。
返品があると、せっかく注文頂いても実際に入金される金額が減ってしまう事になります。
CPAの削減も大切ですが、ムダなコスト削減こそすぐに取り掛かるべき施策なので、ぜひ実践してみましょう。
今後の記事でも、返品理由などの解説を行っていきますので楽しみにしていてくださいね。