2017/08/21

宅配クライシスの原因と解決方法

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みなさんこんにちは。
スタークス株式会社の景利です。

最近ずっとニュースを騒がせている、配送費の値上げ問題。
ヤマト運輸だけではなく、ついに佐川急便も値上げに踏み切りましたね。
多くの企業様から私達に、連日、ご相談のご連絡をいただいていることから、この問題への注目の高さが伺えます。
さて、今回の値上げの背景に俗にいう「宅配業界の崩壊」が深く関係しているのは、みなさんご存知かと思いますが、では、なぜこの「宅配業界の崩壊」が起きたのかご存知でしょうか?

今回は2回に分けて、「宅配業界の崩壊」が起きた理由に迫り、この「宅配業界の崩壊」に日本より先に直面し、そして、乗り越えつつある中国の事例から学んでいきたいと思います。

宅配業界の崩壊ってどういうこと?

宅配業界の崩壊。
これがどういったことを指すのか、みなさんご存知でいらっしゃいますか?
宅配業界の崩壊とは、ズバリ「モノが送れない」ということです。

つまり、通販企業社様にとっては広告があたって、商品が売れたとしても、
商品をエンドユーザー様まで届けることができない、ということなのです。
商品が売れているのに、商品を届けることができない。
こういうことが近い将来、日本では起きる可能性があるのです。

宅配業界の崩壊の原因に迫る!

ではどうして、宅配便はこのような状況に陥ってしまったのでしょうか?
今回は4つの原因に絞り、説明していきたいと思います。

原因1:ネット通販の増加

数年前に比べて、ネット通販は日本人にとってとても身近なものになりました。
その証拠として図1にあるように、日本のEC化率は年々上昇しています。ここには、Amazonの登場やパソコン、スマートフォンの普及が関係しています。

出典:BtoCのEC市場規模とEC化率の推移

EC化率が増加している、ということは宅配会社が送る荷物の量が増えている、ということでもあります。それでは、図2をご覧ください。

※出典:経済産業省ウェブサイトhttp://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001.html

原因2:それでも下がる利益率

「これだけ需要があるのだから、宅配業界はさぞ儲かっているんだろうな。」
とみなさん感じていると思います。
でも、現実は違うのです。
ネット通販がここまで台頭する前は、宅配は「CtoCサービス」でした。
故郷を離れて大学に進学した息子に仕送りをしようとか、遠くに嫁いだ娘に贈り物をしようとか、
個人間でのやりとりが主流だったのです。

でもこの数十年で宅配は「BtoCサービス」に変化しつつあります。そこに深く関わるのが、ネット通販です。通販企業のサイトで個人が買い物をして、その商品を送ってもらう。
こうして宅配がCtoCからBtoCのサービスに変化したことによって、「ボリュームディスカウント」という交渉が可能となったのです。つまり、たくさん商品を送るから配送料を安くしてくれ、ということです。これによって、宅配の配送単価は下がり続けてしまいました。それが続いたことによって、宅配便の取扱量は増えるにもかかわらず、営業利益率は下がり続けるという薄利多売の状態になってしまったのです。

原因3:再配達の増加

そして時代の変化とともに起きた問題がもう一つありました。
それが、初回の配達時に受取人が家にいないことで起きる、再配達です。多くのメディアでは、再配達が起きるのは「受け取り手の意識の低さ」が主な原因、と取り上げられていましたが、私たちは、それが再配達の主な原因ではないと考えています。では何が原因なのか?という話になりますが、みなさん、そもそも自分に置き換えて考えてみてください。再配達になってしまうときって「荷物が届くことへの意識が低い」のではなく「家にいないこと」が多くはないですか?そう、これこそが再配達が増加している理由なのです。

時代の変化とともに「日中家にいる人が減ったこと」が、再配達の増加の原因なのです。

原因4:ドライバーが減っていく

このように、配達しなければならない荷物が増えているにも関わらず、再配達が増え続けていることによって、通常の倍以上にも業務が増えているのが今の宅配の現状です。このような状況では、残業が増えたり、お昼休みをなくしてでも荷物を運ぶことが常習化されるということが起き、宅配業界は「過酷な労働環境」となってしまいました。ドライバーの方もこのような労働環境の中で働きつづける事は難しく、結果としてドライバーは年々減少していくようになりました。

需給バランスが崩れた宅配業界で、何が起きる?

増加する、日本のEC化率と宅配業者が送らなければならない荷物。
それと反比例して運び手であるドライバーは年々減少しています。

つまり宅配業界では今、「需給バランス」が完全に崩れているのです。
このバランスの崩れは日本のインフラの崩壊を意味します。
つまり今、日本を支えてきた宅配の仕組みを再構築できなければ
「モノを届けることができない」ということが近い将来、確実に起きるのです。

【次回予告】中国に習う、宅配問題の乗り越え方

いま日本が直面している、宅配クライシス。
実はこの問題、数年前に中国で起きていたことはご存知でしょうか?
そして、中国はこの問題を乗り越えつつあることも。

次回は、日本がこの「物流クライシス」問題を乗り越えるために
世界最大のネット通販大国の中国の事例を紹介しながら、どのような策が日本の宅配の仕組みを再構築できるのかを考えていきたいと思います。

 

次回もどうぞお楽しみに!

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