2017/11/16

「リピロジ」通販物流業界変革への取組み ~梱包編~

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スタークスの菊川です。

今回は、倉庫から始まる通販物流問題の対策として「ワンタッチ47サイズ」の梱包資材を開発された物流会社さんへインタビューさせて頂きました。

実は、この梱包資材の開発によって、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が主催する物流改善事例大会で優秀事例賞を受賞されたそうです。

そんな同社に、なぜ47サイズという、一見中途半端なサイズにしたのか。その結果、業界や環境にどのような効果があったのか等、詳しく伺ってきました。

エンドユーザーを意識した梱包サイズ

―― 「ワンタッチ47サイズ」に取組み始めたキッカケは?

商品にあった梱包箱の開発は、実はこれがはじめてではありません。
最初は、ある荷主さんと紳士用のジャケット用の梱包箱の開発をしたんです。

この取組は、その荷主さんのショップのレビューの中に
「ジャストサイズの箱に入っていないから無駄」とか
「何でこんなに大きな箱で送るのか」と言った意見があったことからはじまりました。 

当時、僕たちは荷主さんとの間で
ショップレビューをよくすることをKPIに設定していたんですね。

その中で寄せられた先ほどのようなレビューは、
箱が凹んでいたり汚れているとかの不満よりも、
商品に対して箱が大きいとか、緩衝材が入りすぎている、とか
そういった「ちいさな気づき」が多い印象でした。

このことから物流の些細な部分も
ショップレビューに影響を与えるものなんだと実感しました。 

だから「ちいさな気づき」を改善して
エンドユーザーの方が楽しみにしていた商品をなんのひっかかりもなく
受け取ってもらうにはどうしたらいいのか、ということを考えて、
梱包箱の開発に取り組みました。 

実際、変更してからは
無駄な梱包で送られてきたといったコメントが無くなりました。

ピッタリのサイズで送られてきたというコメントもありませんけどね(笑)

そのような経験があったので、
化粧品・健康食品という小さい商品を取扱い始めたときも
90%以上がほぼ DM便か、60 サイズ以下なのにもかかわらず
60 サイズで送り続けていることが無駄だと感じていたこと。

運送会社さんもこれだけ軽い商品であればもっと積みたいという要望、
沢山積めれば安い料金も出せるかもしれないという希望から、
化粧品・健康食品という小さいサイズの梱包箱を開発しようとなりました。

梱包サイズと強度へのこだわり

―― 導入に当たり苦労したことは何ですか?

担当者が約1ヶ月間本当に頑張って、
何度も資材会社と打合せをしながら詰めていきました。
実際には微妙にサイズを小さくしていく事の繰り返しです。 

弊社で使っている「ワンタッチ47サイズ」は
組立てる前から底面がそもそも閉じているので、
箱を開くだけで半分組み立てられた形になるんです。

こういった特徴を持つワンタッチの箱を
強度を意識しながら、小さく出来るギリギリまでサイズを落としていくことを
ひたすら繰り返しました。

もちろん潰れてしまっては困るので、
弊社から弊社宛てに空の状態で実際に配送して、配送状況検査をしたこともあります。 
当然かもしれませんが、大きくて薄いと潰れてしまう。

なるべく固い素材で箱の高さも高くならないように気を使って、
どうやって小さくしていくのかを少しずつやっていきました。 

他にも検討項目は多くありました。
このワンタッチは、蓋の部分が差し込んで抜けなくなる仕組みになっていますが、
どうしても蓋部分が浮いてしまう。

何とか浮かないように出来ないかなど、本当に何度も試作を繰り返して
ようやく「これでいこう!」となりました。

環境への負荷が減る理由

―― 「ワンタッチ47サイズ」を導入することで、業界や社会への影響はどのように広がりますか?

エンドユーザーには届いた時に無駄がないから良いと思っています。
僕達の視点で言うと、
箱を小さくしたことによって単純に1台のトラックで運べる個数が変わりました。
通常の60サイズから47サイズへ変更したら、カゴに倍積めたんです。

そうすればトラックが出すCO2削減にもなりますし、
資材も大きなものから小さなものになるので、過剰梱包がなくなります。
それに伴って緩衝材もかなり減りましたね。

僕達を悩ませた蓋の部分は、差し込んで送り状を貼るだけなので、
梱包テープも使わなくなりました。

さらには、生産性が上がって倉庫の稼働時間が短くなり、
間接的に水光熱費の削減にもなるので、消費エネルギー減になっていると思います。

ロジスティクス目線で利益率も変わる!?

―― ワンタッチ47サイズを使いたいという企業さんもいます

特許も何も必要ないと思っていますし、皆使ったら良いと思っています。
皆で運送会社さんが運びやすい工夫を出来れば、値上げも収まるかなと思いますし。 

そのような想いから、
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が開催している改善事例大会でも
全て発表をしていて、優秀事例賞も頂きました。

物流から環境負荷軽減が出来たのと、
裏側を言えば私たちの生産性も上がることでコスト削減に繋がったんです。

 色々なお客さんとお話してわかったのは
梱包箱を考えるときに、デザインやマーケティングを重視してしまうことがあって、
配送のサイズで値段が変わるという視点が少ないということです。 

これがどういうことかというと、例えば化粧品を販売する際に
ヤマト運輸さんのネコポスのサイズ規定が梱包箱を含めて2.5センチ以下だと知っていたら、
そこに収まるようにパッケージや商品サイズを決めることができます。

でもそういった視点がないと、
何回も試行錯誤してようやくできた商品のサイズが
たったの3ミリ、ネコポスの規定サイズからオーバーしていたから
宅急便で送らざるを得ない、ということが起きるんです。

ネコポスと宅急便では配送費用に大きな差があるので、
もったいないですよね。

だから僕たちは、
もっとこういった視点からお客さんに提案していかなければいけないと思っています。
これだけで物販の値段に跳ね返ってきますし、ひいては利益率にも関わる事だと思うので。

IT技術の導入による業界全体の発展とは

―― 今後は、業界全体に対してどのような貢献をしていきたいと考えていますか?

物流が担う重要性は今回ニュースや新聞で書かれて、皆気にはしていると思います。
この状況だから値上がりは仕方ない、という事も何となく分かっていると思いますが、
今後も青天井で配送費が右肩上がりかというと違うと思っていて。

そこはIT技術の導入をしていく事で、変えられると思っています。

 今回は資材を変えたというアナログな部分ですが、
今はIOTと言われている位、物流にテクノロジーを絡めていって
生産性が高くなる事例が沢山出て来ています。

そのような事例を導入して、よりリーズナブルな料金が算出出来れば良いなと思います。

 そして、僕らはロジスティクスのシェアードセンターとして
最適なプラットフォームを築くので、ぜひ皆に乗って一緒にやっていきたい。

 そうすればデータも多く集まるので、
そのデータをもとに進化が出来るのではないかと思います。
データがあれば、
今はまだ見えない業界全体の改善点やアップグレードするための手立てが得られます。

だから今は、そのプラットフォームに乗り易くなる環境を整備するのが
僕たちの使命だと思っています。

―― 最後に通販企業様に一言お願いします。

 47サイズワンタッチ、どうぞ使ってください、そして真似してください(笑)
良いものが作れたら、自分達だけではなく皆で使っていきたいですし、
広がってくれたら嬉しいです。

 そしてこれからは、
ただあるものを運びますよではなくて、もっと賢く運びましょうというような
ロジスティクス視点からのアドバイスに凄く価値があると思っています。

これは僕達にしかできないことだと思うので、どんどんアドバイスをしていきたいなと考えています。

~~インタビュー後記~~
スタークス株式会社 菊川

今回特集した47サイズのワンタッチ箱、
エンドユーザーのことをしっかり考えられて開発されているので
本当にお客様からの評判が良いんです。

 でも今回、開発秘話や思いを伺ったことで
この開発の根っこには
広い視点で物事を捉えて、改善していこうという姿勢があることが分かり、
背筋が伸びる思いでした。

 私達も、『リピロジ』というサービスを通じて、
物流・流通業界の問題を解決していかなければならないと感じています。

業界課題を解決する、というMISSIONをもとに
様々な方々の意見を伺いながら、私達が思い描く業界のあるべき姿と重ねて、
最適解を導き出し、サービス提供していきます。。

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