2018/06/18

【後編】売れるネット広告社 加藤公一レオの未来予測 ~個人アフィリエイターの衰退と定期通販の購入回数縛り規制を乗り切る戦略とは?~

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前回の記事では、加藤社長の今後の定期通販における2つの未来予測。さらにCRMやLTVを最大化するために必要な考え方や捉え方をお話しして頂きました。

今回の記事では、CRMに使える資産や中小の通販企業が生き残るための戦略、広告費用対効果300%の施策についてお話し頂きました。

プロフィール紹介

株式会社 売れるネット広告社 代表取締役社長 加藤公一レオ
1975年ブラジル・サンパウロ生まれ、アメリカ・ロサンゼルス育ち。
西南学院大学経済学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。
その後、Havas Worldwide Tokyo、株式会社アサツーディ・ケイ(ADK)にて、一貫してネットビジネスを軸としたダイレクトマーケティングに従事し、
担当した全てのクライアント(広告主)のネット広告を大成功させる。
その実践経験とノウハウをもとに、ネット広告のレスポンスを確実にアップさせてしまうため、
クライアント企業から『レスポンスの魔術師』との異名をとる。
やずやベストパートナー賞 受賞。
Webクリエーション・アウォード Web人貢献賞 受賞。
「アドテック」「宣伝会議」「日経デジタルマーケティング」「通販新聞」など講演多数。
広告・マーケティング業界のオリンピック『アドテック』で3年連続人気スピーカー“1位”。
「全日本DM大賞最終審査員」や「International ECHO Awards審査員」、「九州インターネット広告協会の初代会長」も務めた。
著書に『単品通販“売れる”インターネット広告』(日本文芸社)。
『100%確実に売上がアップする最強の仕組み』(ダイヤモンド社)『伝説のEC猫レオレオ 売れるネットショップ繁盛記』(impress Digital Books)
通販のネット広告の費用対効果を最大化するASPサービス『売れるネット広告つくーる』を監修。

 あなたの会社にもあるCRMに使える「資産」

大塚:中小企業にとって、自社の理念を伝えるのは、それはそれで難しいかと思うのですが、加藤社長のところではその辺りまでサポートするのですか?

加藤:希望するクライアントに関してはトータルサポートします。会報誌の企画からフォローメールも作成します。引上げやリピートが上がる提案については“100%確実にやっています。その後、定期購入してもらったお客様のLTVを最大化するご提案に関しては、希望するクライアントのみ引き受けます。

大塚:やることとしては、企業が持つ強みや想いを可視化していくことになると思うのですが、難しい作業ですよね?

加藤:そうですね。ただ、実は通販会社には資産がたくさんあるんです。10年以上やっている通販会社だと、過去に制作された同梱物や会報誌が企業内にいっぱい眠っているんです。極端な話、我々がやっているのは、そういった資産を再利用しているんです。「この言葉良いよね。この広告よかったよね。」といったものを編集してデジタル化します。

大塚:それは企画力がすごく求められてきますね。ちなみに、理念を伝えるという点でうまくできている企業さんはあったりされますか?

加藤:そうですね。化粧品の通販会社さんで成果が出ています。あとは豆乳由来のスキンケア用品を扱っている通販会社があるのですが、そこの同梱施策も素晴らしいんですよ。あえて田舎臭い雰囲気を出しながら理念を伝えていくところが素晴らしいですね。プロダクトだけで勝負しても中小企業はどうしても大手メーカーに負けてしまいますからね。

 中小の通販企業が生き残るために必要な戦略

大塚:なるほど、ありがとうございます。ここまでで新規顧客獲得のメディア戦略や、CRMについて伺ったのですが、他にも中小の通販企業が今後生き残っていくために大切なことはありますか?

加藤:商品についてですが、最終的には大手メーカーがパクるとはいえ、パクるまでには時間がかかるんです。早くても1年はかかります。「その間にいかに先行で走りきるか」という勝負になってくると思います。新しいプロダクトをスピード感持って次々に出していかないと、いずれ大手メーカーに取られてしまうので、商品開発のスピードを早くすることは大切です。

あとは、お客様ときめ細かなコミュニケーションをしていくということでしょうね。ある大手メーカーのスキンケア用品を扱っている会社の社長から言われたことで私が感動したのが、「うちは売れるネット広告社さんのサービスを使えない。なぜならウチはオートメーションでフォローメールを送らずに、担当者がお客様それぞれに対して手書きのお手紙を送っている」ということです。

我々も一人ひとりに宛てたメッセージを意識するとはいえ、基本はオートメーションです。それを全てのお客様宛に手書きの手紙を送るとなると、相当な労力だと思うのですが、そこを惜しまないところに一人ひとりのお客様への想いが感じ取れました。

このように、大手メーカーが完全にオートメーションでやっている中で、お客様ごとにカスタマイズしたメールを送る、手書きのお手紙を同封する、担当を付けるなどのきめ細かな対応ができることが中小企業の強みになってきます。

大塚:なるほど、ただワンステップマーケティングよりは難易度が高いというか、やるべきことは増えますよね。

加藤:そうですね。基本やることは増えると思います。そもそもワンステップマーケティングの強制定期ビジネスモデルが短絡的な手法だったので。まぁ定期通販のビジネスモデルは入れ替わりが起こるので5~6年するとまたワンステップマーケティングの強制定期のビジネスモデルが出てくるかもしれませんね。

 やってはいけない!メルマガでの売り込み

大塚:そうなると社内の教育も重要になってきそうな気がしたのですが、その辺りいかがですか?

加藤:社員研修に参加してみるとわかりやすいのですが、通販会社によってスタンスが別れています。一つは「いかにテクニックを追求するか」に焦点を当て、もう一つは「いかにお客様の課題を解決するか」に焦点を当てます。全社員がお客様の電話を取る、メールを返す、といった熱心な教育をしている通販会社もあるのですが、少なくとも今後は後者の「いかにお客様の課題を解決するか」といった本質的なスタンスが重要になってくるでしょうね。

オートメーションはデジタルによる効率化の世界です。そこに非効率なアナログの手法を足していくことは大手メーカーには真似できないことですからね。

大塚:それは、できるところはオートメーション化で効率化していって、その分空いた時間をアナログに充てていくのが良い、ということですかね?

加藤:そうですね。なので、新規顧客獲得周りはオートメーション化してしまうと良いと思います。そこで獲得した定期購入のお客様に対して、その後いかにアナログ的にCRMを取り組んでいくかですね。

大塚:最近参入された通販会社からすると、かなりパラダイムシフトを起こさないといけないところですね。

加藤:そうですね。ただ、まだまだ本質がわかっていない通販会社が多い印象です。私自身メルマガはたくさん登録しているのですが、「先着~名様限定!」とか「キャンペーンは今日まで!」みたいな売り込みばかりです。

大塚:そうですね。例えばオフラインでDMを送る通販会社なんて本当に少ないなと思います。

加藤:そうですね。定期購入のお客様に対して送るフォローメールは、商品専用のランディングページのURLは一切つけない、売り込みの同梱物は一切入れないくらいの覚悟が大切ですね。

大塚:ただ、そういった施策は、すぐに成果が現れるものではないと思うのですが、どうやって成果を図っているかが気になります。その辺りはいかがでしょう?

加藤:成果を測る際はもちろん【A/Bテスト】を行います。定期購入のお客様を半々に分けて、半分には売り込みの同梱を行って、もう半分には全く行わない、といった形で【A/Bテスト】をします。そして1年後のLTVに差があるかどうかで成果を判断します。

実際、劇的に変化があるわけではないのですが、売り込みの同梱を入れない方が1.21.3LTVが高くなります。結果が出るのに1年かかるので、労力と時間はかかりますけどね。元々商品の宣伝以外全く何も送っていなかった状態からの比較なので必ずLTVは上がります。

大塚:そうやって成功事例が増えると他の通販会社の模倣にもなると思うので、頑張って欲しいなと思います。

 広告費用対効果300%の施策

大塚:通販会社の関心事はCRMもそうなのですが、個人アフィリエイター経由での新規顧客の獲得が難しくなっているところにもあります。その辺りいかがでしょうか?

加藤:私自身はずっと信頼度の高い法人媒体で広告の運用をしているのですが、ワンステップマーケティングでCPAを劇的に下げるのはぶっちゃけ難しいと感じています。昔は情報量が少なかったのでまだ可能性はありましたが、今これだけ情報があって複数の商品・会社を比較検討できる中でいきなり定期購入するお客様はいないんですよ。なので、普通に薬機法や特商法を守りながらワンステップマーケティングで売っていくのは難しいと思います。実際にYahoo!の純広告で【A/Bテスト】をしたら、ワンステップマーケティングよりツーステップマーケティングの方が圧倒的に効率よく勝利しますからね。

大塚:個人アフィリエイターの主流はワンステップマーケティングですもんね。Yahoo!なんかでサンプル申込みのCPAはいくらくらいになるのですか?

加藤:無料モニターや無料サンプルの場合、昔はCPAが,000円くらいでした。500円だと2,000円くらいですね。今はその倍くらいになっているので、4,000~,000円ですかね。我々のクライアントの場合、500円のモニター商品サンプル申込みからの引上率はだいたい25%以上です。ブランド力のある大手メーカーだと引上率が30%までいくところもあります。そうなると定期購入客の獲得コストは13,333~20,000円くらいでしょうか?

弊社のクライアント実績で言うと、定期購入のお客様は大体6〜7回はリピートするので、5,000円の商材だとLTVが30,000円から35,000円になるのでROAS(広告の費用対効果)は150~263%くらいになります。

大塚:すごいですね!一方で引上率25%という高い数字を出せない通販会社もあると思うのですが、何が違うのでしょう?

加藤:「確認画面でアップセル®︎」をやってないんじゃないですか? 商品専用のランディングページでお客様が個人情報をフォームに入力後遷移する、申込確認画面で定期購入をオススメする、弊社の最強の売れるノウハウが「確認画面でアップセル」なのですが、これをやるとアップセルで25%はいきます。そこでアップセルしなかったモニター商品やサンプルを申込んだお客様には、初回申込時間と商品の消費サイクルに合わせてフォローメール送るのですが、そこからの引上率が大体10%です。かなり少なく見積もっても5%は引上がるので、定期購入に30%は引上がります。

大塚:状況的に新規顧客の獲得が難しくなっているとはいえ、うまくやると十分成り立つのですね!

 こんな通販戦略は「ズルい」ですか?

大塚:ここまでで新規顧客獲得からCRMまでお話を伺ってきましたが、最後に加藤さんの方から通販会社へのメッセージはありますか?

加藤:私は通販において、失敗は成功の元とは思っていないんです。遠回りしなくても良いなら、しない方が良いです。そのためには「すでに業界で散々【A/Bテスト】している人の力をいかに借りるか」が大切ですね。これまでにネット広告周り、システム周り、物流周り、インフォマーシャル周りで【A/Bテスト】をしてきた人はたくさんいます。そういう人達をアサインして、最初から不必要な失敗せずにやることが大切ですね。

結局、答えを持っている人とパートナーを組んで、遠回りせずに最初からカンニングシートがある状態で、いかに「ズル」をするかなんです。「東大を受けるなら答えを入手する」「富士山の頂上目指すなら8合目までヘリコプターで行く」そういった概念がないとダメです。単品通販はキャッシュフローが厳しい世界ですし、ちょっとしたことで売上が2~3倍変わってきますからね。さらに他の業界と違って全てが【A/Bテスト】で証明されているので、そこは「いかに最短距離でいけるのか」といったことを考えることが重要だと思います。

そこで大切な視点は、会社単位ではなく担当者で選ぶということですね。例えば広告代理店に依頼する際も「通販経験者で【A/Bテスト】を最も繰り返している人」といった要望を伝えた上でアサインしてもらいます。あとはトガっている人が良いですね(笑)トガっていても普通にサラリーマンの人もいるので、個人的にアプローチするのも良いのではないでしょうか。

売れるネット広告社では【A/Bテスト】の結果を100%全社で「蓄積・共有」しています。こうすることで全ての担当者がカンニングシートを常に持っておく仕組みを作りました。

これは企業理念・行動指針に明記されていて、全社員で徹底しています。売れるネット広告社の強みは、まさにここだと思っています。

大塚:それは通販に限らず大切かもしれないですね。本日は貴重な話をありがとうございました。

 

 

 総括

加藤社長のお話では、国の規制が厳しくなることで定期通販のビジネスモデルが、より本質的なものになるとのことでした。

定期購入の回数縛りを設けて初回だけのコンタクトで売り切ってしまうのではなく、「確認画面でアップセル」やフォローメール、フォローLINEⓇを送ることで定期購入のお客様のLTVを最大化するところを目指すCRMを実施していく必要性を感じました。

また、今後は個人アフィリエイターよりも信頼度の高い法人媒体がメインとなり、教育的な情報を発信するフォローメールや同梱物が重要になってくるということですので、各通販会社がオンラインでもオフラインでもしっかりとコンテンツを作り込んでいくことも必要になってくるでしょう。

お客様一人ひとりへの個別対応なども含めると手間と時間のかかる施策なのですが、こういったCRMにしっかりと取り組むことが、中小の通販会社が生き残るためには実は最も効率の良い方法であることが考えられます。

とはいえ、全てを自社だけで行うのは流石に無理があります。各分野には今まで散々失敗を重ねて実践的な【A/Bテスト】を繰り返している最強の売れるノウハウを持った人がいます。そういった人たちにアサインしてもらうことで無駄を省く「ズル」をすることも視野に入れることが、最短で成功するためには大切です。

ここまでこの記事を読んでいただいた方には、ぜひ、これまでとは異なるパラダイムを受け入れて、これからの時代に合った通販戦略を立てていってもらえればと思います。

「確認画面でアップセル」は売れるネット広告社の登録商標です。登録商標第5569381号。特許出願中。
「フォローLINE」は売れるネット広告社の登録商標です。登録商標第5807567号。

売れるネット広告社様では無料でセミナーを行なっています。ぜひお気軽にお越しください。
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