2016/07/01

すぐに使える!データ分析を活用したECのCRM施策事例

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今回お伺いしたのは、化粧品や健康食品のリピート通販に特化し、デジタルマーケティング支援をしている株式会社ワンスター

そんなワンスターでスタートアップから大手メーカー系まで数多くの通販企業のデジタルマーケティングを支援し、「adtechTokyo」や「adtechKyusyu」「CosmeTech」、日本一のマーケッターと言われる神田昌典さんの「マーケティング白熱会議2016」などでも講演実績のある、取締役の山崎さんにインタビューを行いました。

テーマは、「デジタルにおける最近の通販CRMってどうなの?」です。
LTVを高める3つのステップについてや、メール・LINE・SMSなどのコミュニケーションツールの活用法まで、デジタルにおける通販CRMについてお伝えします。

LTVを高める施策の3ステップとは?

大塚:
まず、先日登壇した、「マーケティング白熱会議」はどうでしたか?私も行きたかったんですよね。。。

今回のセミナーでは、「LTVをどう伸ばすのか?」という事をテーマに、データ分析を活用した実践的CRM施策について話をしました。

大前提として、LTVを高める上で最重要なのは商品力や商品の設定、顧客との関係構築であり、「単純施策・テクニック」ではないのですが、ここにおいても改善できる事項はあり、手軽に取り組める部分もあります。
セミナーでは、具体的な「施策・テクニック」について主に話をしました。

ステップ① LTVの指標を定める

まず当たり前の話ですが、「LTVが高い・低いというのを何を持って判断するのか」、その指標を決める事が重要です。

累計売上なのか、定期の継続率なのか、LTV指標を定めます。
多くの企業様の場合は初回購入からの累計購入金額になるかと思いますが、定額商品の定期課金モデルの場合は継続率が重要指標になるケースもあり、ここの確認が重要です。

その上で、次に課題となるのが「LTVを把握するまでの時間の長さ」ですね。
広告の投資回収の観点から、1年でLTVを見る会社が多いと思いますが、1年間の経過を待ってからだと遅いですよね。
1年前に実施した広告のLTVの高さ低さがわかっても改善には活かしづらい。

そこで、計算式を用いて1年後のLTVを早期に把握します。
基本的には、初回購入から2~3か月間の累計購入金額が高い顧客は、1年後も高いですし、逆に初回購入から2~3か月の累計購入金額が低ければ、1年後も低いです。
どれくらいの時期から傾向が見えるのかは各社によって異なりますが、例えばある会社では2ヶ月後のLTVを見れば、12ヶ月後のLTVをかなり正確に予想することができています。

計算方法詳細は省略しますが、大切なことは、重要指標を決め(例えば「一人あたりの初回購入から1年間における累計購入金額」など)、それを予測することでできるだけ早くに把握することです。

ステップ② LTVを変数ごとに把握する 

LTVの指標の見方が分かりました、と。
しかし、LTVだけ見ても改善策は見つけにくいのです。

そこで、LTVを変数ごとに見ることで何が良くて何が悪いか分かるようになります。

例えば、変数を「初回購入月」にすることで、「夏に買った人はLTVが低く、冬に買った人のLTVが高い」ということがわかった、というような形です。

ここでのポイントは、最も影響度の強い、最重要課題から対策をすることです。
変数は販売商品によって異なりますが多数存在します。

・年代別
・男女別
・広告別
・購入商品
・決済別

etc…、他にもありますが上記のようなイメージです。

このような変数それぞれにおけるLTVを計測し、どの変数がLTVに強く影響するのかを割り出し、その変数から対応を行います。
例えば、とある会社で「年代別」のLTVを分析した結果、

「50代のLTVが高く、70代以上になるとLTVが一気に落ちる」

といったデータが分かったので、そこを踏まえて広告媒体の選定を工夫してという感じで、改善策を行っています。
このようなイメージで様々な変数からLTVを分析し、改善施策を行っていくことが大切です。

ステップ3 LTVの改善施策

ステップ1で何を最重要指標にして、それを早期に判断する仕組みを作り、
ステップ2でそれを変数ごとに見ることでLTVが増えた・減った要因を分析しました。
そして、いよいよ改善施策です。

ここでのポイントは、いかに施策を知っているか?
つまり、他社の事例を参考にしていくことが大切になります。
分析やロジックよりも、事例・ノウハウを知っているか。ですね。

大塚:
たしかに、いざ課題が分かったけど、具体的なアイディアが無い。とういことが多いですよね。

そうなんです。
CRMの施策もメール・DM・コールセンターの運用をどうするかの部分に尽きるので、そうなると事例をどれだけ知ってるかになります。
だから、実績を上げている企業の事例研究は欠かさず行った方がよいですね。

では、具体的にどんな施策があるのか?というと、すべてはお伝えできないのですが、1つだけ参考に言えば、

例)定期のお届け間隔ごとのLTVを分析した結果、「定期コースの間隔が長い顧客(2ヶ月に1回・3ヶ月に1回コースの顧客)」のLTVが低いことが判明し、この「定期コースの間隔が長い顧客」に対して、適正間隔になるようにメールを送る施策を行い、結構な数字を改善することができました。

このような施策を一つでも多く実行して、数字を積み重ねていきます。

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※ワンスター山崎氏の資料を引用

大塚:
かなり、マニアックな話をしましたね(笑)

そうですね。結構盛り上がったので、よかったのですが(笑)

ただ思うのは、先ほどの定期間隔の例もそうですが、分析結果が、事前に通販会社様がなんとなく感じていた課題と同じ課題になるケースは多いです。
分析をして核心的な何が見つかることは少なく、重要なのは「なんとなく感じていた課題を数値化すること」だと思っています。

数値化することで投資判断ができるようになるのでアクションに動かすことができるのです。

メールって効果ないって言われてる事もありますがどうですか?

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大塚:
話は変わりますが、デジタルの通販CRMは最近どうですか?
例えば、メールの効果が落ちてるなんて言われていますが…。

結論から言えば、メールの効果はたしかに落ちてきてはいますが、一方でメールに変わるほどの効果的なツールが今現在はない、というのが現状かと思います。
特に中小規模の企業様にとっては。

もちろんLINEを活用した効果的な事例なども少しづつできていますが、中小企業さまで取り組める施策でないものが多いことや、高年齢対象商材であると勝手が違ってくるなど業界を通じてという意味では、まだまだ課題は残っています。

また、最近はSMSの事例もでてきています。

大塚:
SMSですか?入力できる文字数が少ないですよね?

イメージは広告として利用するんです。

使い方は色々とありますが、例えば、
「カタログやDMを送りました」というアテンション目的で使うことで、売上が1.●倍になったという事例もあります。

また、最近だと文字数を拡大して配信できるサービスもあるので、それを利用する方法もあります。

ただ、SMSはメールと同じカテゴリーなので、広告として送る場合はパーミッションが必要であることや、1通あたりの費用が高いことなど課題もあります。
所々攻略するやりかたもあるのですが・・・そういう意味で、個別事例では色々でてきていますよ。
先ほどのLINE含めて。
ただ、企業様の商品特性や、価格、顧客年齢によって状況は異なっています。

大塚:
SNSやSMSも課題があるんですね。
とすると、デジタルにおけるメインはまだメールなんですね。

そうですね。リピート通販業界で広く捉えてという意味で「メールを超えるツール」という意味では現状はないように思います。
メールもやり方次第では今も結果がでておりまして、例えばアンケートを使った施策があるのですが、サンプル商品購入者に対して、50%以上の方がアンケートに答えてくれる(=しっかりとページを見てる)ということがザラにあります。

大塚:
すごいですね。それだけ答えてくれていれば効果は高いですね。
メールをしっかり使っている企業と使っていない企業の違いはなんだと思いますか?

たまごリピートの普及もあってか、最近はほとんどの企業がステップメールを使っていますが、上記のような施策(やり方)次第で変わります。
また、オファー設計や商品設計といったもっと大きな仕組みの部分に課題があると、いくら施策を頑張っても効果はでにくいですね。

CRMの本質的な課題は、儲からないこと!?

大塚:
ここまで色々と話を伺ってきましたが、上記のような施策をやりきってる企業って少ないですよね。それってなぜだと思いますか?

そうですね。
限られた人数でやっていると、新規顧客獲得を優先しがちですし、そもそもCRMはテストに時間がかかるためノウハウがたまりにくく、そして改善幅も一つ一つの施策は限定的になってしまいます。

そして、ここが最大の課題だと思うのですが、CRMを支援する会社が儲かりにくいので、本気で取り組むことが難しいというのがあります。

例えば、新規獲得の支援は媒体費で収益を上げることができるので、広告代理店を中心とした会社が、LP制作や効果測定、戦略設定なども含めてサポートできます。

一方でCRMは、大きなマネタイズポイントが少ないため、どうしても総合的なサポートというものが構造的にしにくいのは大きいと思います。

なので、CRMに関しては通販企業さんが自前でノウハウ構築していく必要があると考えています。

グラフィックス3

※ワンスター山崎氏の資料を引用

今日の話を聞いて思ったのは、最新のテクノロジーやツールが出てきても本質は変わらないということですね。
そのために、本気でCRMに取り組める体制を構築していかなければと。

大塚:
山崎さん、本日はありがとうございました!

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