2018/03/16

年商10億超えの通販企業が実践するCRM戦略の秘密とは!?(前編)

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今回のエキスパートインタビューは株式会社ダイレクトマーケティングゼロ(以下、DM0 公式HPhttps://www.dmzero.co.jp/)の樋口様。

DM0さんは通販に特化し、新規獲得からCRMまで一気通貫してコンサルティングを行なっているのが特徴です。もう1つの特徴として社員の70%が元通販事業主といった、通販事業の裏側で何が起きているのか。どういった問題が起こりやすいのかを実体験として知っているから行える、的確なアドバイスが強みのコンサルティング会社となります。

これまでにも全日本DM大賞の金賞~銅賞まで全て獲得し、数々の表彰を毎年のように受賞されています。今回は元通販事業主であり、現コンサルタントの樋口さんに売上を伸ばすためのCRMLTVアップについて定期通販ラボ編集長の大塚がお伺いしてきました。

 健康アップデートによるCRMの変化

大塚:DM0さんは新規からCRMなど幅広くコンサルティングをされていますが、どのような相談が多いのでしょうか?

樋口:相談としては全部ではありますが、うちの会社はCRMがメインなので、やっぱりCRM関連のお問合せが多いです。

大塚:そういう意味で言うと、12月にGoogleの健康アップデートや定期の縛りの話があります。ここ数ヶ月単位で構いませんが、CRMで最近感じる変化はありますか?

樋口:数ヶ月単位で言うと、問合せの件数が圧倒的に増えましたね。

大塚:それは何がキッカケだと思われますか?

樋口:やはり健康アップデートの影響が大きいです。例えばアフィリエイトの獲得が1/3に落ちてしまった。それで新規が厳しくなったのでLTVを上げなければ、というのが多いです。

大塚:キッカケは新規が苦しくなるというのが多いんですね。その辺は、アップデートの前はそうでもなかったのですか?

樋口:アップデート前もそうですね。どの企業様も売上が10億円を超えて、30億円を超えたタイミングで一度どこかで新規が苦しくなります。そのタイミングで、ここから伸ばしていくためにはLTV上げて限界CPAを上げないと、という話が多いです。

大塚:CRMや新規獲得のコンサルティングについて、クライアントさんは売上的に言うと、どの位の規模感でしょうか?

樋口:30億~50億円くらいがボリュームゾーンという感じです。その下が10億円超ですね。

大塚:今回お問合せがあるのは、その位の規模感の方が多いですか?

樋口:そうですね。新規客を毎月12万件は取っていたけど、そのうちの34千件がアフィリエイト。それが崩れると、やっぱり他の広告運用のCPAが吸収しきれず、全体で一気にシュリンクせざるを得なくなるという構図にはなっています。

 CRMで良くある間違いや勘違いとは?

大塚:クライアントさんと話をしている中で良くあるCRMの間違いや勘違いは感じたりしますか?

樋口:結構、休眠顧客を使って何とかしたい。休眠顧客を掘り起こしてやりたいというお話を良く頂きますが、実際は休眠顧客はそこまで甘くは無いです。

新規の足しにはなりますが、休眠顧客だけでやっていけるほど甘くはない。そこに過剰な期待をされていたりします。

やった分はきちんと返ってくる施策なので、もちろんやった方が良いです。でも、それですべて問題解決すると思っていたりもします。

大塚:確かに期待はしてしまいますよね。

樋口:ちゃんとインパクトはありますけどね。あと勿体ないと思うのが、CRMで一番レバレッジ効くのが最初の一年間なんです。

大塚:どういうことでしょうか?

樋口:新規に入ってから2年目、3年目のお客さんは当然ながら新規と比較すると絶対数が減ってしまいます。仮に1年後の残存が定期通販だと3040%位だとします。そうすると2年目以降の人をターゲットにしても、100人いた内の30人しか効かない施策になってしまいます。

大塚:それはつまりF2F3位からという事でしょうか?

樋口:その位のお客様への施策に僕らは一番力を入れています。

大塚:言われてみれば、本当にそうだなという感じです。休眠顧客の掘り起こしをやりたい、ロイヤル顧客を増やしたいなど、つい点の話に目がいってしまいます。

実際にコンサルティングをする時は、クライアントさんが口に出している要望を聞きつつ全て分析をしてからになりますか?

樋口:そうですね。それこそ最初にクロスセルのご相談を頂いて、一回打合せでお伺いをしますよね。でも、ざっくり数字を聞くとココが良くないというのが見えてくる。その結果、次回のご提案の時にクロスセルが一回も話に出ていないというのはあります。

やらないということではなく、難易度的にも簡単だしレバレッジが効くのは他のポイントなので、その次にクロスをやりましょう。と、お話をさせて頂くこともありますね。

 550社以上のKPIを見てきたから分かる
施策の裏側と適正値

大塚:クライアントさんの要望よりも本質的な提案をするという意味ではプロフェッショナルですよね。そのような分析は、30億や50億円の規模でも、クライアントさんが本質や本当の課題を見付けるというのは難しいということでしょうか?

樋口:難しいですね。CRMをやっていて思うのは、CRMって秘伝的な感じです。各社ごとの秘密のメソッドがあるというか、公開されないんです。

大塚:表面というか、点でしか分からないです。

樋口:何かDMが来たとか、会報誌が来たというのは分かります。でも、それはどういった狙いで、どのようなセグメントで、どんなタイミングでやっているのか、など裏側は見えないですよね。

でも僕らは今まで550社以上の色々な会社のKPIを触ってきているので、平均値や適性値が分かるんです。

大塚:1社だと分からないし、代理店のような表面しかタッチしていないと分からない数値ですね。樋口さんは元々通販企業でしたが、コンサルタントとして色々な会社を見るなかで視点や分かることは違ってきますか?

樋口:やっぱり全然変わりますね。良くも悪くも凄くフラットに見れるというか、通販事業主の時は1社しか見ていないので、深さを出すことは出来ます。でも今思うと、フラットな視点や広さは無かった感じがします。

大塚:それは自社だけでやっていると、課題を間違えるという事ですか?

樋口:課題を間違えやすい。課題設定を間違えているケースが多いですね。

 CRMやLTVは1年目でレバレッジを効かせる!

大塚:定期縛りが出来なくなっている中で、通販企業はCRMLTVに関してどのように考えていけば良いでしょうか?

樋口:通販企業はテクニックに走り過ぎていていたなと思うんです。それこそ何色のボタンが良いとなれば、みんなボタンが同じ色になってしまう。

そういった所があるので、もう少し本質的にお客さんと向き合う良い機会ではないかなと思います。

直接お手伝いをしている会社さんではありませんが、そこの会社さんは商材だけで課題が解決するとは思っていない。その気持ちをモチベートし続け、一緒に課題を解決するために我々は存在しているとおっしゃっていました。

その会社さんはLTVが凄く高いんですよね。何かあったらそこに電話をして相談をしてという関係性が出来ている。なので、そういう事なのかなという気はしますね。

大塚:今お話を伺ってきたことで言うと、全体を見たうえでどこに手を付けるべきか見ているという事。あとはCRMLTVという観点から言うと、お客さんと向き合う良い機会というところでやっているという事ですね。

普段LTVの観点からお話をされるようなことは他にありますか?

樋口:良く話をするというか。担当者様へのお願いではあるんですけど、新規が苦しくなってから来るのではなく、新規が好調な時にこそご相談頂きたいです(笑)。

大塚:新規が好調だと、気持ち的にはクライアントさんも動きにくいですよね(笑)。

樋口:先ほどお伝えをしたように、初回の1年分のLTVがレバレッジも効くのでやり易い。

1万人と、5千人に対してのインパクトであれば、絶対に1万人のインパクトの方が大きいだから新規が拡大できそうだとなった瞬間からLTVにちゃんと取り組んで頂きたいなと思います。

 今だからこそ有効なDM施策

大塚:いまメールが届かない中で、紙に戻ってきているなどコミュニケーションチャネルについてはいかがでしょうか?

樋口:チャネルに関して言うと、やっぱりLINEが各社さん導入されていますね。導入されている会社さんはそれなりに効果が出ているなという印象はあります。ただ、これもメールからLINEに行って、次はどこに行くかな?くらいの話でしかないかなと個人的には思っています。

一方で、DMがもう一回効いてきているなという気はしますね。

大塚:それは何故でしょうか?

樋口:DMを送らない会社が増えてきて、単純にみんながやらないから目立つようになったという所もシンプルにあるのかなと思います。

みなさん投資対効果の計算が出来ていないので、一度で大きくやって「合わない」で諦めてしまうケースがあります。

大塚:DM0さんでは、各社さんテストしてから判断するものですか?それともセグメントにより追うべきかのセオリーがあるのでしょうか?

樋口:もちろんセオリーはあります。基本的には過去実績の数値をもとに分析・最適化を行います。僕らはDMのテストなどをする時はフリークエンシーとリーセンシー別にレスポンスを見ていますが、実は購入歴が浅い人の方がレスポンス率が良かったりします。

結局は課題を解決しようとして、サプリや新しい化粧品を買ったりしますよね。買った時が一番モチベーションが高いんです。

「綺麗になろう」「痩せてやろう」といった意識で買っているので、それが少し慣れたタイミングで「もっと頑張りませんか?」と言われるよりも、一番テンションが高いタイミングで「これやった方がもっと痩せるので、頑張りましょうよ」と声をかけた方が動くイメージは沸きますよね?

大塚:データを見て、クリエイティブを見て、そのうえでの判断という事ですよね。

樋口:クリエイティブもそうですが、どちらかというとオファーが重要かもしれないですね。

 総括

今回の記事では、通販に特化したコンサルティングDM0の樋口様にCRMで良くある間違いや勘違い。CRMで力を入れるべきポイントやLTVを伸ばすために必要なことの他に、DM施策の有効性についてお話をして頂きました。

次回の記事では、余り対策やLTVが上がることでの売上のインパクト。CRMで重要視するべき3つのポイントをお話頂きますので、ご期待ください!

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