2018/02/22

Googleアップデートでアフィリエイトが大打撃。インター ネット通販の売上を担保するための打開策とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

通販業界の各分野のエキスパートへのインタビューです。今回は通販サイトおよびLP制作のエキスパートであるアートマチック株式会社 真崎社長にサイト制作周りのお話を伺いました。インタビュアーは定期通販ラボ編集長の大塚です。

「健康アップデート」でアフィリエイトサイトが大打撃

大塚 今、通販企業さんの悩みとして、「アフィリエイトが不調で新規顧客が取れない」といったことがありますが、そういった相談は多かったりしますか?

真崎 多いですね。通販企業さんやアフィリエイトの会社さんとの会議や打ち合わせなどで、その話は必ず出てきます。

アフィリエイト不調の原因:通称「健康アップデート」とは?
2017年12月6日Googleが医療・健康に関する検索のアルゴリズムをアップデートしました。より信頼性が高く、有益な情報が上位表示されるために、医療従事者や専門家、医療機関等から提供される情報を上位表示する仕組みです。このアップデートによって存在するサイトの約60%が影響を受ける想定です。


真崎 
このアップデートは日本独自なんですよ。医療系で不信感を持たれるサイトの問題が顕著になったのは日本だけのようです。

大塚 海外では規制はないんですか?

真崎 国によって法律が異なりますので実態は不明ですが、今回のアップデートが日本にだけ適用されたことから、日本の医療・健康系サイトがGoogleに不信感を持たれていることが伺えます。そして、残念ながら正しい情報を発信しているサイトも被害に遭っています。これはまだ解決されていない問題です。

通販企業さんは、新規集客を主にPPC広告とアフィリエイトで行うのですが、アフィリエイトサイトが被害を受けていて、売上が半分以下になったところもあります。ASPの企業さんと話す機会もあるのですが、「どうしようもない…」といった感じです。

例えばメディアを増やす、アフィリエイターの報酬を上げるなどの対策はできると思いますが、結局アフィリエイターからしてもサイトを上位表示させる手段がないんです。中にはPPC広告でも上位表示されないこともあるので、みなさんが知っているような、誰でも書き込みができるタイプのものは全部ダメですね。医療専門性がないものは全部ダメです。

今後インターネット通販で売上を担保するために必要な対策

大塚 今後は見せ方として、情報が正確であるということを示す必要があるということですか?

真崎 薬機法に則ってLPを書くというのはもちろん必要ですし、LPに繋ぐ施策をどうするかも課題です。弊社でもLP制作だけでなく、そこに繋ぐ施策についてもよく相談を受けるようになっています。「Googleのアップデートの被害を受けない方法でLPに繋ぐ方法がないか?」といった相談が、ここ最近は多いです。

対策の一例として、協会を持っている企業さん、例えば「~協会」とかは専門性があるので、そういった協会サイトを充実させて情報発信するところもあるようです。そこに商品名は入れないのですが、キーワードなどで商品をイメージさせて検索してもらう、そのサイトを訪問した人に商品の広告を表示するリマーケティングといった手法で商品を露出していくことができます。

あとは成分をメインとしたサイトを作るところもあります。あるアレルギー対策のサプリメントの商品では、そのサプリに含まれる成分について、医学者が「効果がある」ということを述べているサイトを作っています。すると、その成分が認知されて、その成分を検索した時に商品のLPが表示されるようになっています。成分についての効能を説明したページから繋ぐのではなく、キーワードで認知させるという方法です。バナーとかにも商品のことは出てないですね。

このように成分に特化した研究結果やエビデンス、医師の見解といったところで専門性を出したサイトを作るといった方法があります。

他にはクッション・ページの利用があります。SEOが厳しいので、クッション・ページにインフィード型の広告をかけるパターンです。クッション・ページで問題と解決策を書いておいて、最終的に商品のセールスページへ飛ばすという導線が多いです。

大塚 今まで成分等にはこだわらずに売れる商品を作ってきた企業さんも、今後はそういった成分サイトを作っていくことになるのでしょうか?

真崎 扱っている商品によります。ダイエットや育毛でも、今回のアップデートの被害を免れているジャンルもあります。健康食品と化粧品でも違います。化粧品はまだアフィリエイトがうまくいっているところもあります。細かいテクニックとしては、ASPを通さずに、企業と直接契約をして、リンク先をアフィリエイトページではなく企業のLPにするという方法があります。

大手通販企業の中にはアフィリエイトから撤退しているところもあります。その費用をリスティング広告に充てるといったことをしていますね。弊社でも、去年まではランキングサイトの制作がありましたが、今は一切ありません。1年も経っていないうちの変化なので、すごい早さです。

全体的に主な対策としては協会系・成分系に落ち着いている印象です。後は、表では扱う商品を減らして、裏でクロスセル等で別の商品を販売しているところもあります。パッと見は1~2個の商品しか扱っていないように見えて、実はたくさんの商品を扱っているという状態です。

大塚 1回購入されたお客様に関して別の商品を販売するのですか?

真崎 そうですね。フロントで何か買ったお客様に対して、継続率を上げるための商品を売るといった感じです。例えば最初に育毛剤を売って、育毛サプリやシャンプーを追加で売るといった感じですね。他にも成分を変えて新しくして販売する方法もあります。

広告の対策は限界があるので、クロスセルなどで一度商品を買ってもらったお客様に追加で商品を買ってもらうことで売上を伸ばすといった対策です。このように広告に依存するのではなく、既存のお客様や違うマーケットを狙う企業さんも多いです。

大塚 一概に「こうしたらいい」というのも言えないですよね。

真崎 そうですね。バストアップのサプリを売りたい企業さんは、まずバストアップのブラジャーのLPを作ってそこに広告をかけ、それを購入してくれたお客様にサプリを販売するといった手法をとっていました。

大塚 サイト制作の相談時には、すでにそういった戦略が立てられているのでしょうか?

真崎 場合によりますね。コンサルの方が入る場合もありますし、企業さんが「こういうのをやりたい」といって依頼が来ることもあります。

大塚 真崎さんのところには最新情報が集まってきますから頼りにされますね。

真崎 ただ、現実問題どうすればいいのかわからないところもありますが笑。「この商品は価値があるから、なんとしても売りたいけれど表現上難しい」という企業さんもいれば、「とにかく商品を売りたい」という企業さんもいます。企業理念や商品への想いがあるところは、しっかりと反映させて売っていきたいですね。

広告媒体によっては「お客様の声」が使えない!?

大塚 他に相談が多かったトピックはありますか?

真崎 PPC広告を出す際、GoogleとYahoo!に広告を出す企業さんが多いのですが、Yahoo!が厳しくなっています。そのため1つの商品についてLPを作っても広告媒体ごとに表現をだいぶ変えないといけないので、そういった相談を受けることが多いです。

大塚 GoogleとYahoo!でどういった基準が違うんですか?

真崎 Yahoo!は担当者の主観が反映されやすい印象です。お客様の声のような第3者の意見が載せられなかったりします。そういった面でもGoogleとYahoo!はLPの内容が変わってきます。 後はインフィード型の表現の基準があるので、メディアに応じてLPを作成する必要が出てきています。Googleは審査が通ったのに、Yahoo!は通らない、といった相談も受けます。

大塚 お客様の声はユーザーにとっても参考になると思うのですが、使えないんですか?

真崎 成分の説明などでは薬機法に気をつけた表現を使うことができますが、お客様の声は企業が作るというより、すでにあるものを少し変えるだけで載せるので、どうしても引っかかりやすいんです。あまり変えてしまうとお客様の声の意味も無くなりますし笑

後はスマホと PCで、文字の入れ方や文章の長さが異なってきます。スマホユーザーはじっくり考えるよりは決断を早くする傾向があります。これまではPCもスマホも同じ表現でしたが、スマホの属性を考えると変わりつつありますね。

大塚 確かにスマホの通販サイトは、流しながら見られがちです。

真崎 買った後にLPをじっくり読む場合もあります笑

大塚 スマホ対応されてないだけで買う気がなくなることもありますよね。

真崎 スマホで買うことが一般的になって購入フローも変わってきています。LINE Payとか、入力の手間をなくすことが増えてきています。

大塚 一つの商品でもLPやCPをたくさん作らないといけないとなると制作企業さんとしても大変ですね。

真崎 そうですね。表現に制限があるので、どのLPも似たような表現をしてしまうんです。だから成分や第三者の意見、受賞歴、タレントさんの使用などで差別化を図る傾向は増えてきているかもしれないです。ただ賞も、みんなが取ったりしているものだと効果がない場合もあります。

通販企業なら薬機法の知識は必須

大塚 今年は定期縛りの影響が圧倒的に大きいと思っていたのですが、こういった法律面の規制の課題もあるんですね。

真崎 景品表示法的には定期縛りの表現にも規制はあります。ただ、そういったことを勉強していない企業さんも多いです。交通ルールを知らずに道路を走っているようなものなので、危険です。 これだけ規制が増えているので、定期通販企業様も薬事の知識を持っておいた方が良いですね。中には勉強会にしっかり参加する企業さんもいらっしゃいます。勉強すると抜け道も見えて来るので、勉強はしておいた方が良いです。

最近では、これまではなかったルールが出てきているので、その辺りはしっかりと理解していないと今後戦っていけないのではないかと思います。制作会社もそういったことを理解していないといけなくなるでしょう。制作してもリリースできなければ意味がないですから。

おそらく今後またGoogleのアルゴリズムは変わると思います。Googleは消費者目線なので、消費者にとって良い情報が提供できるように変えていくはずです。そこに対して随時合わせていく必要はあります。

表面的なテクニックだけでなく、薬事をしっかりと学んで、エビデンスをしっかりと揃える。足りないならお金をかけて追加するといった根本的な見直しも必要かもしれません。誤魔化しながらうまくやっているところもありますが、そういった手法は再現性がないので、真似してもうまくいかないんです。これからは、より消費者目線で考えないと売上は立たないでしょうね。

総括

薬機法・景品表示法の改正に伴うルール変更や、Googleの検索アルゴリズムの変化で、これまで使えていた方法が使えなくなってきています。今後は自社で勉強会などを開いて法律面の知識を共有する、ルールをきちんと把握した制作パートナーと組む、といったことが必要なようです。 基本的に、法改正やルールの変更は消費者が安心して買い物ができるようになることが前提に行われます。ネガティヴな面だけを見るのではなく「どうすればもっとお客様に満足してもらえるか?」といったことを考える機会にできるかもしれません。

関連記事

コメントを残す

*